「乙4試験の勉強を始めたけれど、指定数量って結局どう覚えたらいいのか分からない…」 「一覧表は見たけど、量が多すぎてどこに注目すればいいのか迷ってしまう」
そんな不安や戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。
この無料講座では、乙4試験対策用として、頻出となる「危険物指定数量」について、分類・物質名・数量の関係性を丁寧に整理しています。
単なる暗記ではなく、法令の背景や試験での出題傾向に触れながら、理解を深められる構成です。
【この講座の重要度】10 / 10 ⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
💡 最重要:試験によく出る&合格に直結する知識。必ず押さえておこう!
この講座で学べる3つのこと
- 無料で独学可能!危険物指定数量の基本と分類の整理法
- 乙4試験で出やすい物質・数量の組み合わせとひっかけ問題の対策
- 指定数量と法的手続き(届出・許可)との関係をやさしく解説

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【無料で独学可能】危険物の指定数量とは?
危険物取扱者(乙種第4類)の試験では、「指定数量」という用語が頻繁に登場します。
初学者にとっては耳慣れない言葉かもしれませんが、危険物を安全に管理するための重要な基準です。
この項目では、指定数量の意味や法律上の根拠、そして乙4試験との関わりについて、基礎から丁寧に解説します。
学習の初期段階でしっかり理解しておきたい内容です。
指定数量とは何か?その意味と根拠を確認
「指定数量」とは、危険物ごとに消防法施行令別表第一で定められた、貯蔵や取扱いに対する法的基準量のことです。
この基準量を超える場合、施設の種類や取り扱い量に応じて、届出または許可といった行政手続きが必要になります。
ただし、「指定数量を超えたら必ず許可」という単純なルールではなく、施設の区分(通常施設・特定施設)によって手続き内容が異なる点に注意が必要です。
指定数量に関する基本ルール(通常施設・特定施設)
- 通常施設(一般取扱所など)では、0.3倍超〜1倍以下は届出、1倍超えたら許可が必要。
- 特定施設(屋内貯蔵所・移送取扱所など)では、1倍超〜10倍以下は届出、10倍超えたら許可が必要。
- 「10倍以上」というラインは設備基準強化の目安であり、手続き区分(許可・届出)に変化はない(法令明文化なし)。
取り扱い量と手続きの整理
対象施設 | 取り扱い量 | 必要な手続き | 根拠法令・備考 |
---|---|---|---|
通常施設 | 0.3倍超〜1倍以下 | 届出 | 消防法施行令 第12条 |
通常施設 | 1倍超 | 許可 | 消防法 第10条(新設・変更時) |
特定施設(屋内貯蔵所・移送取扱所など) | 1倍超〜10倍以下 | 届出 | 消防法施行令 第14条 |
特定施設 | 10倍超 | 許可 | 消防法 第10条 ※10倍超は設備基準強化目安(法令に明文化なし) |
具体例:ガソリンの場合
ガソリンの指定数量は200Lと定められています。
通常施設で150L(指定数量の0.75倍)を保管する場合 → 届出が必要です。
通常施設で250L(指定数量の1.25倍)を保管する場合 → 許可が必要です。
屋内貯蔵所(特定施設)で250Lを保管する場合は、届出が必要ですが、さらに2,500L(指定数量の12.5倍)を保管する場合には、許可が必要になります。
「10倍超で許可が必要」という表現は、消防法や施行令に明記されているわけではありません。
許可が必要なのは「指定数量を超えた時点」であり、10倍超は設備基準強化の目安にすぎません。
地域条例にも注意
消防法・施行令に基づく基準は全国共通ですが、地域ごとの条例により、さらに厳しい規制が設けられている場合もあります。
試験対策では全国基準で学びますが、実務では所在地の条例確認も忘れずに行いましょう。
なぜ指定数量の理解が重要なのか
指定数量を把握しておくことは、安全な作業を行う上でも、法令違反を避ける上でも欠かせません。
一定量を超えて危険物を扱うには、所定の手続きが求められるため、知識が不十分だと法的な問題につながる可能性があります。
また、資格を持つ者は職場内での管理責任を担う立場になります。
たとえ自らが直接取り扱わない場合でも、「この保管量は法的に問題ないか?」といった確認が求められる場面があるでしょう。
その際、指定数量の知識があるかどうかが、判断の精度を大きく左右します。
さらに、乙4試験の出題内容とも深く関わるため、単なる用語理解だけでなく、法令との関係性を押さえながら学ぶ姿勢が大切です。
危険物取扱者としての法的責任や、現場で求められる義務については、こちらの講座で詳しく解説しています。▶️【頻出対策】乙4取扱責任と危険物管理者の義務|危険物法令違反も完全解説
乙4試験で問われる指定数量の知識
乙4試験では、指定数量に関する問題が毎回のように出題されます。
中でも頻出なのが、以下のような出題パターンです。
特に注意が必要なのは、「指定数量の何倍でどう対応すべきか?」という設問です。
この部分は制度上は柔軟に運用されることもありますが、試験では「10倍以上で許可が必要」とする選択肢がよく使われるため、あらかじめ傾向をつかんでおくことが得点アップの鍵になります。
また、試験では「ガソリンは200L」「灯油は1,000L」といった具体的な数値を問う設問もあります。
数字をそのまま覚えるだけではなく、「第4類の中でどの物質がリスクが高いか」といった背景まで含めて理解しておくと、選択肢の判断がしやすくなります。
危険物の指定数量に関するポイントまとめ
指定数量は乙4試験だけでなく、実際の業務に直結する基礎知識です。
制度の背景を理解することで、単なる暗記では対応できない出題にも柔軟に対応できます。
この章の要点チェックリスト
- 指定数量は消防法と施行令で定められた「基準量」のこと
- 基準量を超えると、届出や許可などの法的手続きが必要になる
- 乙4試験では、物質名と数量の組み合わせ問題がよく出る
- 暗記だけでなく、法令の適用や背景まで理解しておくと有利
【一覧表付き】危険物の指定数量を完全網羅
乙4試験に合格するためには、危険物の「指定数量」に関する理解が欠かせません。
指定数量とは、消防法施行令別表第一により定められた、危険物ごとの法的な管理基準量のことを指します。
この数量を超えると、所轄消防本部への届出や許可、設備要件の強化といった法的な規制が適用される重要な閾値となります。
特に乙種第4類では、引火性液体に分類される物質の指定数量が頻出問題として取り上げられており、覚えておくべき数値が多く存在します。
また、指定数量が少ない=それだけ危険性が高いという基本的な考え方も、試験対策として重要なポイントです。

えっ、数量が少ないほうが危険ってどういうこと!? 少ない=安全じゃないの?
逆だよ。単位は違っても、「この量を超えたら危ない」って基準が“指定数量”。少量でも事故になる危険物ほど、指定数量が低くなるんだ。試験でもよく狙われるから注意してね!

この章では、乙4試験で特に押さえておきたい危険物の分類と、代表的な物質・指定数量を網羅的に解説していきます。
分類ごとの特性や注意点とあわせて整理することで、暗記だけに頼らない本質的な理解を目指しましょう。
第1類(酸化性固体)の指定数量
第1類の危険物は、他の可燃物と混ざることで酸素を供給し、燃焼を促進する性質を持つ酸化性固体です。
自身が燃えることはありませんが、混合や加熱によって爆発的な反応を引き起こす可能性があるため、慎重な管理が求められます。
第2類(可燃性固体)の指定数量
第2類に分類される物質は、常温でも着火しやすく、燃焼速度が非常に速い可燃性固体です。
また、酸化性物質と混合すると、爆発的に燃える危険もあるため、保管環境には特に注意が必要です。
第3類(自然発火性物質・禁水性物質)の指定数量
第3類は、空気や水と接触することで自然発火や激しい反応を起こす危険性の高い物質が含まれます。
貯蔵・取扱いには細心の注意を払う必要があり、試験でも性質と指定数量のセットで問われることが多いです。
第4類(引火性液体)の指定数量
第4類の中でも、特に出題が集中するのがこの引火性液体の分類です。
第4類の物質は低温でも引火しやすく、蒸気が空気中で可燃性の混合気を形成し、爆発の危険を伴います。
特に静電気や火花による引火が事故の原因となりやすいため、運搬や取扱い時には法令に基づいた対策が必要です。
※アルコール類とは、メタノール・エタノール・イソプロパノールなど、消防法施行令に定められた特定の単価アルコールを指し、これらはまとめて指定数量400Lとされています。
※「水溶性」「非水溶性」という分類は、消防法や施行令で定義された正式な用語ではなく、試験対策や参考書などで便宜上用いられることが多い区分です。
第5類(自己反応性物質)の指定数量
第5類は、外部から酸素を供給しなくても、熱や衝撃によって自己分解し、発火や爆発を引き起こす性質を持つ物質です。
非常に危険性が高いため、多くの物質で指定数量は10kgに設定されており、厳しい基準となっています。
第6類(酸化性液体)の指定数量
第6類は、液体状態で強い酸化力を持つ危険物です。
他の可燃物や金属、有機物と反応して急激に燃焼を促進する性質があり、取り扱いを誤ると大事故につながる恐れがあります。
【試験対策】危険物の指定数量一覧表
以下の一覧表では、乙4試験で問われやすい危険物を中心に、分類ごとに代表的な物質とその指定数量、注意すべき特徴を整理しています。
数値の違いを問う問題が頻出するため、単に暗記するのではなく、分類や性質とあわせて理解しておくと応用問題にも対応しやすくなります。
危険物分類 | 代表的な物質 | 指定数量 | 備考・特徴 |
---|---|---|---|
第1類(酸化性固体) | 塩素酸カリウム | 50kg | 強力な酸化剤。可燃物と混ざると爆発の恐れがある。試験頻出。 |
第1類 | 過マンガン酸カリウム | 300kg | 酸化性があり、湿気との接触で分解する。大量保管に注意。 |
第1類 | 硝酸カリウム | 300kg | 花火や火薬の原料として使用される。強い酸化性。 |
第2類(可燃性固体) | 硫黄 | 100kg | 低温でも発火の可能性がある。燃焼時に有毒ガスが発生。 |
第2類 | 赤リン | 100kg | マッチなどの発火剤に使用。摩擦・衝撃で着火しやすい。 |
第2類 | マグネシウム粉 | 50kg | 水と反応し発熱・発火の危険あり。粉末は非常に危険。 |
第3類(自然発火性物質・禁水性物質) | 黄リン | 20kg | 空気中で自然発火。水中保存が必要。試験頻出のひっかけポイント。 |
第3類 | ナトリウム | 200kg | 禁水性。水と激しく反応して水素を発生し、爆発的燃焼の恐れあり。 |
第3類 | アルキルアルミニウム | 10kg | 極めて危険。空気・水分と接触で激しい発熱・発火・爆発の可能性。 |
第4類(引火性液体) | 特殊引火物(例:二硫化炭素、ジエチルエーテルなど) | 50L | 特殊引火物。引火点が非常に低く、静電気でも着火しやすい。 |
第4類 | ガソリン | 200L | 第1石油類(非水溶性)。最も試験頻出。静電気着火に注意。 |
第4類 | ベンゼン | 200L | 第1石油類。発がん性あり。試験でも引っかけとして出題されやすい。 |
第4類 | エタノール | 400L | アルコール類。水溶性で揮発性が高い。大量保管時は火気厳禁。 |
第4類 | 灯油・軽油 | 1,000L | 第2石油類(非水溶性)。引火点が高いが、大量になると危険。 |
第5類(自己反応性物質) | 有機過酸化物 | 10kg | 酸素供給なしで自己分解。熱・衝撃で爆発の可能性。 |
第5類 | 硝酸エステル類(ニトログリセリンなど) | 10kg | 極めて不安定で衝撃に敏感。取扱いに厳重な注意が必要。 |
第5類 | ジアゾ化合物 | 10kg | 熱・光で分解し爆発を起こす可能性がある。 |
第6類(酸化性液体) | 過酸化水素(濃度36%以上) | 300kg | 強い酸化作用があり、分解時に酸素を放出して激しく燃焼する。 |
第6類 | 硝酸(濃度70%以上) | 300kg | 金属や有機物と反応して発火する。爆発性混合物を作ることも。 |
※本一覧は、乙種第4類試験で特に出題頻度の高い物質に限定して掲載しています。
より詳細な全体像や実務での取扱範囲まで知りたい方は、消防法施行令別表第一の確認や、公式テキストを参考にしてください。
さらに覚えておきたい!試験では出にくいが要注意の危険物(指定数量付き)
ここからは、試験での出題頻度はやや低いものの、似た性質を持つためにひっかけとして問われやすい物質や、実務上で取り扱う機会が多い物質を補足として紹介します。
特に、乙4試験では分類や性質が似ている物質の混同を誘う問題がよく出されるため、指定数量とあわせて押さえておくと応用問題に強くなります。
危険物分類 | 物質名 | 指定数量 | 備考・補足 |
---|---|---|---|
第4類 | アセトン | 400L | 水溶性の第1石油類。エタノールと混同しやすく、試験でのひっかけに注意。 |
第4類 | 酢酸(濃度80%以上) | 200L | 水溶性の第2石油類。分類が間違えやすく、引火点も比較的低いため注意が必要。 |
第4類 | ニトロベンゼン | 1,000L | 水溶性の第2石油類。毒性があり、消防法では指定数量が大きく設定されている。 |
第4類 | トルエン | 400L | 第1石油類(非水溶性)。ベンゼンと比較されやすい。発がん性はないが、吸入により中枢神経や肝機能への影響がある。 |
第4類 | メタノール | 400L | アルコール類。エタノールと性質が似ており、試験での取り違えに注意。 |
第4類 | アニリン | 200L | 第2石油類(水溶性)。毒性が強く、工業用で使用頻度が高い。 |
第4類 | クロロホルム | 1,000L | 第2石油類(非水溶性)。引火点は比較的高めだが、蒸気の吸入に注意。 |
第4類 | ジメチルエーテル(DME) | 50L | 特殊引火物。スプレー製品などに使用され、静電気で引火する恐れがある。 |
第5類 | ピクリン酸 | 10kg | 乾燥するとわずかな衝撃で爆発する極めて危険な物質。金属との接触でも不安定化するため、水湿を保った状態で保管される。消防法上も指定数量10kgと厳しく規制されている。 |
※上記は、乙4試験において出題頻度は高くないものの、選択肢として紛れ込むことのある物質や、実務で目にする機会が多い危険物をピックアップしています。
時間に余裕がある方や、応用力を高めたい方は、分類と性質の違いに注目しながら学習しておくと効果的です。
【試験頻出】指定数量の重要ポイントと覚え方のコツ
乙4試験では、危険物ごとの「指定数量」に関する問題が非常に高い頻度で出題されます。
ただ単に数字を暗記するのではなく、「どの物質がなぜ危険とされているのか」「どこが試験で狙われやすいのか」を理解することで、得点源にしやすくなります。
ここでは、出題傾向に基づいて特に押さえておくべきポイントを分かりやすく整理しました。試験直前の確認にも使える内容です。
指定数量が50kg以下の物質は特に要注意
指定数量が少ない物質は、危険性が高く、試験でも優先的に問われやすい傾向があります。
例:塩素酸カリウム(50kg/第1類)、黄リン(20kg/第3類)、アルキルアルミニウム(10kg/第3類)など。
第4類の物質は「数量の違い」を中心に出題される
ガソリン(200L)、灯油・軽油(1,000L)、エタノール(400L)、ベンゼン(200L)など、同じ分類内でも数量が異なる点に注目。
「引火点の違い」「水溶性/非水溶性の分類」などもセットで覚えておくと効果的です。
第5類(自己反応性物質)の共通点を押さえる
有機過酸化物、硝酸エステル類(ニトログリセリン等)、ジアゾ化合物はすべて指定数量が10kg。
少量でも爆発の危険があるため、厳しい基準が設けられており、試験では「なぜ10kgなのか?」という視点からの出題も見られます。
危険物の指定数量は、数字だけでなく「分類・性質・危険度の高さ」とリンクしています。
試験では、単なる暗記問題だけでなく、「この中で最も厳しく規制されているのはどれか?」といった応用型の設問も見られます。
こうした傾向に対応するには、分類ごとに比較して覚える習慣をつけることが有効です。
一覧表で横並びにしながら、「なぜこの物質は指定数量が少ないのか?」という視点で学習を進めましょう。
指定数量の要点を振り返ろう
ここまでで、各分類ごとの代表的な危険物とその指定数量、そして出題傾向や注意点を体系的に整理してきました。
乙4試験では、ただ数値を丸暗記するだけでは不十分で、「なぜその数量なのか」「どう分類されるのか」といった理解が得点に直結します。
この章の要点チェックリスト
- 指定数量は消防法施行令別表第一で定められた重要な基準
- 少量でも危険な物質ほど、指定数量は小さく設定されている
- 特に第4類(引火性液体)は出題頻度が高く、ガソリン・エタノール・灯油などの数量の違いを問う問題が頻繁に出題
- 物質の「分類・性質・数量」をセットで覚えることが合格のカギ
- 表や比較で整理しながら覚えると、応用問題にも強くなる
【法令解説】指定数量に関連する消防法の規定
危険物取扱者試験でも実務上でも頻出となる「指定数量」は、消防法に基づく重要な法的基準です。
この数量を超えるかどうかが、施設の設置や取扱いに必要な手続き(許可・届出)の分岐点となります。
ここでは、消防法第10条を中心に、指定数量とそれに関わる法的対応について整理します。
指定数量を超えると何が必要?消防法第10条の正しい理解
消防法では、危険物を指定数量以上貯蔵または取り扱う施設を新たに設置・変更する際には、所轄市町村長の「許可」を受けることが義務付けられています(消防法第10条第1項)。
指定数量は、物質ごとに消防法施行令別表第一で定められた基準量であり、危険物の性質やリスクの大きさによって数量が変わります。
🔍 注意点:「10倍以上で許可が必要」という記述は法文にはありません。これはあくまで試験対策や実務で用いられる目安であり、制度上の明文化ではない点に注意しましょう
倍数による対応の違い|届出と許可の境界線
ここでは、先ほど紹介した「指定数量」の基礎知識をふまえ、倍数別に必要となる手続き(届出・許可)を、さらに詳しく整理します。
実際の手続きや試験問題では、単に超過するだけでなく、どの程度超えるか(倍数)によって対応が分かれることがよくあります。
倍数による手続きの整理
超過の程度 | 必要な手続き | 補足説明 |
---|---|---|
通常施設:0.3倍超〜1倍以下 | 届出 | 消防法施行令 第12条に基づき、一般取扱所などに適用 |
通常施設:1倍超 | 許可 | 消防法 第10条に基づき、新設・変更には許可が必要 |
特定施設:1倍超〜10倍以下 | 届出 | 消防法施行令 第14条に基づき、屋内貯蔵所・移送取扱所などに適用 |
特定施設:10倍超 | 許可 | 消防法 第10条に基づく。ただし手続き基準自体は1倍超時点で確定 |
共通:10倍超 | (設備基準強化) | 保安距離・構造基準などの強化対象。 ※法令上の手続き区分には影響なし(明文化なし) |
「10倍以上で許可が必要」という表現は、法令には明記されていません。
10倍超は設備基準強化の目安であり、許可が必要となるタイミングは「指定数量を超えた時点(1倍超)」です。
制度理解を深めるために押さえておきたい条文
試験では条文そのものが問われることは少ないですが、背景を理解する上で基本条文は必ず押さえておきたいポイントです。
これらの条文の理解は、試験問題の選択肢判断や実務判断にも役立ちます。
この章の要点まとめ
指定数量を基準とした手続き区分は、制度の根幹です。
特に「許可」と「届出」の違いをしっかり押さえておくことが、乙4試験でも実務でも重要になります。
要点チェックリスト
- 指定数量を超える場合 → 原則として許可が必要(消防法第10条に基づく)
- 通常施設では、0.3倍超〜1倍以下の場合、届出が必要(消防法施行令第12条)
- 特定施設では、1倍超〜10倍以下の場合、届出が必要(消防法施行令第14条)
- 「10倍以上」は設備基準強化の目安であり、手続き(許可・届出)区分は変わらない(法令には明記されていない)
- 無届出・無許可で取扱うと罰則対象となり、実務上も重大な違反となるため注意が必要
制度と試験対策で表現の揺れがある部分は、混同せず、条文ベースの理解を軸に学習することが合格・実務対応の鍵となります。
🧠 危険物取扱者(乙4)|ここまでの理解度をチェック!1問だけ○×テスト
「指定数量って、数字が小さいほうが安全そう?」
実は乙4試験では、この思い込みが“定番のひっかけ”になります。
さっそく理解度を試してみましょう👇
❓ 問題:
指定数量が小さい危険物は、比較的安全な物質とされており、保管や取り扱いの規制も緩やかである。
👉 ○ or ✕?
【頻出対策】指定数量に関する試験の出題傾向
乙種第4類の試験では、「危険物の指定数量」に関する出題が非常に多く見られます。
単なる暗記項目と捉えられがちですが、実は出題パターンに傾向があり、対策を立てやすい分野でもあります。
ここでは、過去問の分析を踏まえながら、試験によく出る形式や注意すべきポイントを解説します。
よく出る問題形式と出題傾向
指定数量に関連する問題は、乙4試験では定番の出題項目です。
出題形式としては以下のようなパターンがよく見られます。
中でも注意したいのが、「似た分類の物質の数量差を問う問題」です。
例えば、エタノールとガソリン、灯油と軽油など、日常的に使われる身近な物質ほど出題されやすい傾向があります。
効率よく覚えるための分類整理法
すべての指定数量を丸暗記するのは効率が悪く、覚え間違いの原因にもなります。
そのため、物質の特徴や分類とセットで記憶することが大切です。
次のような方法で整理すると、記憶の定着に役立ちます。
試験では、「分類が違うが見た目が似ている物質」が並ぶこともあるため、水に溶けるかどうか(溶解性)や引火点の違いなどもあわせて覚えておくと、より実践的な理解につながります。
倍数計算・合算による指定数量の判断問題に注意
指定数量の出題では、数字の暗記に加えて「倍数計算」が絡む設問もあります。たとえば、次のような問題です。
「ガソリンを300L保管している。指定数量の何倍にあたるか?」 この場合、ガソリンの指定数量は200Lなので、1.5倍にあたります。
このように、指定数量を基準にして倍数を算出するタイプの問題も頻出です。
また、同じ分類の危険物を合算して問う問題もあります。
「ベンゼン150Lとガソリン100Lを同じ場所で保管している場合、届出が必要か?」といった設問では、分類(第1石油類・非水溶性)を確認したうえで合計して判断しなければなりません。
このような出題では、分類を正確に把握していないと誤答につながりやすいため、表で分類と数量を一覧化しておくと安心です。
たとえば、同じ『第1石油類』でも「水に溶けるかどうか」で分類が違って、試験でもよくひっかけにされるの。ベンゼンとアセトンの違い、ちゃんと押さえておこうね!

指定数量問題の要点まとめ
危険物の指定数量に関する問題は、出題頻度が高く、かつ得点源になりやすい分野です。
分類ごとに物質の特徴と指定数量をまとめて整理しておくことで、ひっかけ問題にも冷静に対応できます。
この章の要点チェックリスト
- 指定数量は物質名とセットで覚えるのが基本
- 分類(第1石油類、アルコール類など)によるグループ化で効率アップ
- 倍数計算・合算問題への対応力も求められる
- ガソリン・灯油・エタノールなど頻出物質は特に重点的に整理を
🧠 【法令編小テスト】危険物乙4のよく出る問題で理解度チェック【過去問想定】

指定数量、物質ごとに数字覚えたぞ!ガソリン200L、灯油は…えっと、800Lだっけ?
惜しいけど、そこ間違える人多いよ。灯油は1,000L。実は“引火点が高い”からその分、多めに設定されてるの


えっ、引火点ってそういうのに関係してるの!?…ってことは、エタノールも危なそう?
そうそう。エタノールはアルコール類で400L。試験では“似てるけど分類が違う”ってとこ、よく狙われるよ


マジで!?じゃあ俺、ガソリンとベンゼン間違えてそう…あれ、水溶性だったっけ?
それも引っかけあるやつだね。でも安心して、今からそれ全部確認できるテストがあるから試してみて

📌 問題1:指定数量の定義として正しいのは?
危険物取扱者の試験で出てくる「指定数量」とは、次のうちどれを指すでしょうか?
1️⃣ 危険物の取り扱い時に必要な最低限の量
2️⃣ 危険物ごとに法令で定められている、取扱いに規制がかかる基準量
3️⃣ 消防署が現場の判断で自由に決める目安の量
4️⃣ 工場や施設が任意で設定する危険物の上限量
📌 問題2:次のうち、指定数量が最も少ない危険物はどれ?【過去問レベル】
以下の危険物のうち、消防法における指定数量が最も少なく設定されているのはどれでしょうか?
1️⃣ 硫黄
2️⃣ 黄リン
3️⃣ ガソリン
4️⃣ 灯油
📌 問題3:ガソリンを400L保管する場合の必要な手続きは?【過去問レベル】
ある事業所において、ガソリン(指定数量:200L)を400L保管しているとき、必要となる手続きは次のうちどれでしょうか?
1️⃣ 特に手続きは不要
2️⃣ 管轄の消防署へ許可申請を行う
3️⃣ 市町村長への届出を行う
4️⃣ 国への使用申請を行う
📌 問題4:第5類危険物の指定数量として正しいのは?【過去問レベル】
次のうち、第5類危険物の指定数量として正しいものはどれ?
1️⃣ 300kg
2️⃣ 100kg
3️⃣ 10kg
4️⃣ 50kg
📌 問題5:次のうち、指定数量が400Lに設定されているのは?【過去問レベル】
次の中で、指定数量が400Lに設定されている危険物はどれでしょうか?
1️⃣ ガソリン
2️⃣ エタノール
3️⃣ ベンゼン
4️⃣ 灯油
🎯 小テストの総括
乙4試験では、危険物ごとの指定数量と法令に基づく手続きの知識が得点源になります。
今回のような「数字と分類」「制度と手続き」の組み合わせ問題は、実際の過去問でもよく出題されています。
特に、第4類の物質は出題頻度が高いため、数量や分類(第1石油類/第2石油類/アルコール類)を正確に整理しておきましょう。
また、試験では引っかけ選択肢も多く出てくるため、単なる丸暗記ではなく「なぜその数量なのか?」まで意識しておくと、本番でも迷わず対応できます。
この小テストでつまずいた問題があれば、記事本文に戻って再確認するのもおすすめです。
まとめ|乙4指定数量と危険物指定数量を理解して合格へ
乙4試験では、「危険物の指定数量」が繰り返し問われる重要テーマです。
数字をただ覚えるだけでは対応しきれない出題も多いため、制度の背景や分類ごとの特徴を理解することが合格への鍵となります。
この講座では、指定数量の意味から出題傾向、消防法の条文まで体系的に整理しました。
独学でも効率よく学べるよう、分類ごとの違いや注意点も丁寧に解説しています。
試験直前の確認にも活用できるよう、ポイントを以下にまとめておきます。
乙4試験対策に役立つ指定数量の確認ポイント
- 指定数量とは、消防法施行令別表第一に定められた基準量のこと
- 乙4では第4類(引火性液体)の指定数量が特に頻出
- 「10倍以上で許可が必要」は試験でよく使われるが、制度上の明文化はない
- ガソリン(200L)、灯油(1,000L)など具体的な数値問題が多い
- 倍数計算や合算問題では、分類ごとの特性を把握しておくと正答しやすい
- 分類・性質・指定数量をセットで覚えると応用問題にも強くなる
- 消防法第10条や第16条の2など、法令とリンクした出題も意識すること
- 試験対策では「暗記+理解」のバランスが重要になる
最初は量も多く、つまずきやすいテーマですが、ひとつずつ理解を積み重ねれば確実に力がついていきます。
この無料の勉強サイト「オツナビ式・乙4独学講座」を繰り返し活用しながら、独学合格をしっかり目指していきましょう。

ふぅ、小テストはまあまあかな!でも倍数のやつ、ちょっと怪しかったかも…
そこだよ、まさに“試験でよく出る計算問題”だから。1.5倍とか、10倍未満とか、ひっかけやすいの


数字って聞いただけで拒否反応出るけど…避けて通れないのか〜
大丈夫、次の記事では“指定数量の計算パターン”をわかりやすく解説してるから。合算とか倍数とか、今のうちにマスターしておこうね

※本記事の内容は、2025年4月現在の情報に基づいています。制度や日程などは変更される場合があるため、必ず最新の公式情報をご確認ください。また、地域ごとに条例や運用基準が異なる場合がありますので、実際の試験や実務においては、必ず管轄の最新ルールを確認することをお勧めします。